私、今井康平が考えたチープなショートストーリーを載せるページ。ほんとにチープなんで御理解をよろしくお願いします。


by actlikeyouknow
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ナキガラ

少なくとも僕の周りは溶けてしまいそうだ

あぁ嫌だ

だから僕はいつもナキガラに涙を溜める

そして乾いたアスファルトの上をどこまでも行くんだ

行き先が揺らめく

あぁ嫌だ

不確かだ

このように不確かなものが僕の感覚を狂わせる

だってほらペンキの雨

あちこちにパランパラン

万華鏡の中に閉じ込められたんだ

あぁなんだか

なんだか幸せな気分だ
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# by actlikeyouknow | 2006-01-16 06:01 |

冬の詩

久しぶりに今日は愉快だ。
この村の顔見知りが皆集まって、騒いでいる。
さっきからビュウビュウとからっ風は雨戸を揺らしてるのに、部屋の中は馬鹿みたいに暖かい。
皆、笑っている。皆。

俺が帰ってきたから、母さんは宴会を開いた。
こんな小さい村だから、一声かければすぐ皆集まるって言って、喜んで公民館へ出かけた。
俺が帰ってきたのがそんなに嬉しかったんだろうか。
この村を出てからもう10年近くなるが、母さんの調子は昔のまんまだ。
母さんだけじゃない、村も山も海も、昔のまんまだ。

宴会が始まると、皆口を揃えて
「ちょっと見んうちに大きくなって。立派じゃ!」
と言う。
そうかな、俺なんか大したことないよ。
でも皆、びっくりするぐらい笑顔だな。
見てるとさ、なんだかこっちも笑みがこぼれるよ。
向こうで暮らしてた時は、こんな気持ちに一度もならなかったな。
なんか、いい感じだな。

宴会が終わり、それぞれ家路につく。
さっきまであんなにうるさかったこの部屋も、今はがらぁんとしている。
母さんももう寝たみたいだ。
俺は1人、静かなこの部屋で宴会に振舞われた牡蠣の貝殻をトックリ代わりに、日本酒をすすった。
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# by actlikeyouknow | 2005-12-05 07:58 | 悲しい話